どの法域においても雇用終了の手続きを進めるには、現地の労働法を十分に理解し、遵守し、リスクを軽減することが不可欠です。レソトでは、雇用関係の終了に関する明確な手順を定めた特定の法的枠組みにより、雇用主と従業員の双方を保護しています。これらの規則を遵守することは、現地で事業を展開する企業にとって重要であり、地域企業だけでなく、Employer of Recordを通じてスタッフを雇用する国際企業も対象となります。
適切な解雇管理には、法的に義務付けられた通知期間の理解、正確な退職金の計算と支払い、有効な解雇理由の確立、厳格な手続きの順守、そして不当な扱いに対する従業員の権利の認識が含まれます。これらの要件を怠ると、法的な争訟、罰金、評判の損失につながる可能性があります。
通知期間の要件
レソトの労働法は、解雇時に雇用主が従業員に対して最低限守るべき通知期間を定めています。ただし、重大な不正行為による解雇の場合を除きます。必要な通知期間は、一般的に従業員の勤続期間に依存します。
| 勤続期間 | 最低通知期間 |
|---|---|
| 6か月未満 | 1週間 |
| 6か月以上1年未満 | 2週間 |
| 1年以上 | 1ヶ月 |
これらは最低限の要件であり、雇用契約によりより長い通知期間を定めることも可能です。通知は通常、書面で行う必要があります。通知の代わりに支払うことも認められており、雇用主は通知期間中の通常賃金を従業員に支払うことで、実際に働かせる代わりとすることができます。
退職金
退職金は、レソトにおいて1年以上の連続勤務を完了した従業員に対し、解雇が従業員の重大な不正行為によるものでない場合に法定の権利として支給されるものです。退職金の主な目的は、従業員の職を失ったことに対する補償です。
退職金の計算は、従業員の勤続期間に基づきます。標準的な計算式は、連続勤務の各年ごとに2週間分の賃金を支払うものです。
退職金の計算例:
- 対象者: 1年以上の連続勤務の従業員
- 計算式: (勤続年数) × (2週間分の賃金)
計算に用いる「賃金」には、基本給と定期的に支払われる手当の合計が含まれることが一般的です。退職金は通常、一時金として解雇時に支払われます。
解雇の理由
レソトの雇用契約は、さまざまな理由で終了させることができます。一般的に、理由は「正当な理由による解雇(原因解雇)」と「正当な理由なしの解雇(非原因解雇)」に分類されます。
正当な理由による解雇:
従業員の行動や能力に基づき、解雇の正当な理由となる場合です。例としては:
- 不正行為: 会社規則の重大な違反、虚偽、不服従、窃盗、暴力、正当な理由のない継続的な欠勤。
- 能力不足: 訓練や警告にもかかわらずパフォーマンスが改善しない場合や、病気や怪我による職務遂行不能(医療的能力喪失に関する特定の法的規定の対象)。
不正行為やパフォーマンス不良に基づく解雇の場合、雇用主は公正な手続きを踏む必要があります。
正当な理由なしの解雇:
これは、事業の運営上の必要性に基づく解雇を指し、リストラや冗長性とも呼ばれます。以下の理由による場合があります:
- 経済的な低迷
- 組織再編
- 技術的変化
- 事業や特定部門の閉鎖
運営上の理由による解雇も、従業員やその代表者との協議を含む特定の法的手続きが必要です。
合法的な解雇のための手続き要件
レソトで解雇を合法とするには、特に原因解雇や運営上の必要性による解雇の場合に、特定の手続きに従う必要があります。正しい手続きを踏まないと、たとえ実質的な理由が正当であっても、不当解雇とみなされる可能性があります。
一般的な手続きの流れ(理由により異なる場合あり):
| ステップ | 内容 | 適用される理由 | 記録・書類等 |
|---|---|---|---|
| 調査 | 不正行為やパフォーマンス問題について徹底的に調査を行う。 | 不正行為、能力不足 | 調査報告書、証人の証言、証拠資料。 |
| 通知・告発状の提出 | 解雇の可能性がある理由や具体的な告発内容を従業員に書面で通知。 | 不正行為、能力不足 | 告発状や通知書、詳細な内容記載。 |
| 懲戒審査・会議 | 従業員に弁明や証拠提出の機会を与えるための審査や会議を開催。 | 不正行為、能力不足 | 議事録、従業員の弁明、提出された証拠。 |
| 決定 | 提出された証拠に基づき、公正かつ客観的に決定を下す。 | 不正行為、能力不足 | 決定結果の書面、理由の明示。 |
| 解雇通知 | 解雇の効力発生日と理由を記載した書面を提供。 | 全ての理由(不正行為、能力不足、運営上の必要性) | 解雇通知書。 |
| 協議(リストラの場合) | 解雇の提案について従業員や代表者と意義ある協議を行う。 | 運営上の必要性 | 協議記録、提案内容、従業員の意見。 |
| 最終支払い | 未払い賃金、未使用の休暇手当、通知手当(該当する場合)、退職金を計算し支払う。 | 全ての理由 | 支払明細、支払い証明書。 |
一般的な落とし穴は、調査不足、従業員に弁明の機会を与えないこと、解雇理由の不明確さ、計算ミスや最終支払いの未実施です。
従業員の保護と不当解雇
レソトの従業員は、不当または不法な解雇から保護されています。解雇が不当とみなされるのは、雇用主が解雇理由を正当に示さなかった場合(実質的な正当性)や、正しい法的手続きを踏まなかった場合(手続きの正当性)です。
不当解雇と感じる従業員は、紛争予防・解決局(DDPR)や労働裁判所に異議申し立てを行うことができます。不当解雇と認定された場合、従業員が受けられる救済措置には次のようなものがあります:
- 元の職位への復職
- 同等の職への再雇用
- 最大12ヶ月分の賃金に相当する補償
したがって、雇用主は解雇理由が法的に妥当であることと、手続きが公正かつレソトの労働法に準拠していることを確実にし、不当解雇の訴えを避ける必要があります。解雇過程の記録を明確に保つことは、そのような訴訟に対抗するために極めて重要です。
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