エクアドルにおける雇用終了の手続きには、現地の労働法を十分に理解し、遵守することが必要です。これにより、法的紛争を回避し、適法に終了させることが可能となります。手続きには、通知期間、解雇理由、手続きのステップ、退職金の計算と支払いに関する具体的な要件が含まれます。雇用主は、労働法典に定められた規則を厳守し、雇用者または従業員からの申し出、相互合意、その他の事情に関わらず、合法的に終了させる必要があります。
エクアドルの労働法のニュアンスを理解することは、国内で事業を展開する企業にとって不可欠です。不適切な終了手続きは、重大な金銭的罰則、法的な問題、評判の損失につながる可能性があります。本ガイドは、エクアドルにおける雇用終了と退職金の主要な側面について、2025年に適用される要件と手続きに焦点を当てて概説します。
通知期間の要件
エクアドルでは、通知期間の要件は契約の種類と終了理由によって異なります。無期限契約の場合、正当な理由なく契約を終了させる場合には、一定の通知期間が一般的に義務付けられています。
- 正当な理由なく雇用主による解雇: 無期限契約の従業員に対しては、雇用主は解雇の30日前に書面で通知する必要があります。この通知期間により、従業員は新たな雇用を探す時間を確保できます。
- 正当な理由または相互合意による解雇: 法律または当事者間の合意により解雇される場合、通常通知期間は必要ありません。
- 試用期間中: 試用期間(通常最初の90日間)の間は、いずれの当事者も理由なく契約を終了させることができ、正式な通知期間も不要ですが、書面による通知を行うのが望ましいです。
| 解雇シナリオ | 契約タイプ | 通知期間の要件 |
|---|---|---|
| 正当な理由なく雇用主による解雇 | 無期限契約 | 30日間の書面通知 |
| 正当な理由による解雇 | いずれも | 通常必要なし |
| 相互合意による解雇 | いずれも | 通常必要なし |
| 従業員の退職(自己都合退職) | いずれも | 法的義務ではないが、通知(例:15日間)を行うのが慣例 |
| 試用期間中の解雇 | 無期限契約 | 不要 |
退職金の計算と支給額
退職金(スペイン語では「indemnización por despido intempestivo」)は、正当な理由なく無期限契約を終了させた場合に義務付けられています。計算は、従業員の勤続年数と最後の月給に基づきます。
標準的な計算方法は以下の通りです。
- 勤続3年まで: 年ごとに1ヶ月分の給与
- 勤続3年以上: 年ごとに1ヶ月分の給与に加え、部分年も全年として計算
また、最低支給額も定められています。
- 勤続3年まで: 最低3ヶ月分の給与
- 勤続3年以上: 勤続年数に応じた計算額(特定の最低額の上限はなし)
解雇理由に関わらず、退職時には以下の他の支払いも行われます。
- 13ヶ月目給与の比例分(Aguinaldo Navideño)
- 14ヶ月目給与の比例分(Bonificación Escolar)
- 未使用の有給休暇の比例分
- 利益分配(該当する場合)の比例分
- その他未払いの賃金や福利厚生
| 権利 | 計算基準 | 適用範囲 |
|---|---|---|
| 退職金(Despido Intempestivo) | 勤続年数1年につき1ヶ月分の給与(最低3ヶ月) | 正当な理由なく解雇された場合 |
| 13ヶ月目給与の比例分 | (勤務月数 / 12) * 月給 | 全ての解雇 |
| 14ヶ月目給与の比例分 | (勤務月数 / 12) * 統一基本給与(SBU) | 全ての解雇(計算基準が異なる場合) |
| 有給休暇の比例分 | (勤務日数 / 360) * 15日 * 日給 | 全ての解雇 |
| 利益分配 | 会社の利益と従業員の貢献に基づく | 該当する場合の全解雇 |
| 未払い賃金・福利厚生 | 最終給与期間と未払分に基づく | 全ての解雇 |
正当な理由・正当な理由なき解雇の理由
エクアドルの労働法は、正当な理由(従業員の責任による解雇)と、理由のない解雇(雇用主の裁量による解雇)を区別しています。
正当な理由による解雇(雇用主側の理由): 労働法典には、正当な理由なく解雇できる具体的な根拠が列挙されています。これには、
- 深刻な不正行為や規律違反
- 職務能力や効率の著しい不足
- 繰り返しの無断欠勤や遅刻
- 職場放棄
- 不正行為、窃盗、詐欺
- 会社財産への重大な損害
- 機密情報の漏洩
- 不服従や正当な指示への拒否
- 暴力や脅迫(身体的・言葉による)
- 就業時間中のアルコールや薬物の影響下にあること
これらの理由で解雇を行うには、労働当局に対して特定の法的手続きに従う必要があります。
正当な理由のない解雇(雇用主側の裁量): 従業員の行動やパフォーマンスに責任がない理由で雇用関係を終了させる場合です。この場合、雇用主は前述の退職金を含む全ての最終支払いを法的に義務付けられています。
従業員による退職(自己都合退職): 従業員はいつでも辞めることができます。法的には通知義務はありませんが、書面(例:15日間の通知)を行うのが慣例的かつプロフェッショナルです。自己都合退職は、突然の解雇に対する退職金の支払い義務を免れるものではありませんが、比例分の最終支払い(13/14ヶ月、休暇等)は受け取れます。
相互合意による解雇: 雇用主と従業員が合意して契約を終了させることも可能です。この合意は書面にし、労働監督官または公証人の立会いのもとで認証を受ける必要があります。これにより、将来の請求を防止し、解雇条件や合意された補償内容を明確にします。
正当な解雇のための手続き要件
解雇の種類により、手続きは異なります。
正当な理由なき解雇:
- 書面通知: 解雇の少なくとも30日前に書面で通知(無期限契約の場合)。または、「desahucio」(追加支払い)を行う選択も可能です。これは、最後の月給の25%に相当する追加支払いを、最大25ヶ月分まで、30日前の通知に代えて支払うもので、解雇の即時支払い(退職金)とは別です。
- 最終支払いの計算: 退職金(該当する場合)、比例13/14ヶ月給与、未払いの休暇給与、その他未払い金を計算します。
- 支払い: 解雇時または直後に、すべての最終支払いを銀行振込等で行います。
- 清算合意書: 支払った金額の詳細を記載した清算合意書を作成し、雇用主と従業員が署名します。これを労働監督官に認証してもらうことが推奨され、法的有効性と将来の請求防止に役立ちます。
- 労働省への登録: 雇用主は労働省のシステム上で従業員の状態を更新します。
正当な理由による解雇:
- 証拠の収集: 解雇理由を裏付ける明確かつ記録された証拠を収集します。
- 法的手続きの開始: 雇用主は労働省または労働裁判所に対し、正当な理由に基づく解雇の許可を申請します。
- 聴聞会: 両当事者が証拠と主張を提示するための聴聞会が開催されます。
- 決定: 労働当局または裁判官が、正当な理由の有無に基づき解雇を認めるか否かの決定を下します。
- 解雇と最終支払い: 許可された場合、解雇を実行します。従業員は比例分の最終支払い(13/14ヶ月、休暇等)を受け取りますが、即時解雇の退職金は支払われません。
- 労働省への登録: 従業員の状態を更新します。
不当解雇に対する従業員の保護
エクアドルの法律は、従業員の不当解雇に対して強い保護を提供しています。正当な理由なく解雇し、必要な退職金やその他の権利を支払わなかった場合、その解雇は不当とみなされます。
不当解雇の場合、従業員は労働省または労働裁判所に訴えを起こすことができます。裁判所が解雇の不当性を認めた場合、雇用主は以下を支払う義務があります。
- 全額の退職金(即時解雇の場合)
- その他の比例最終支払い
- 裁判所が定める追加の賠償や罰則
雇用主が犯しやすい落とし穴には、
- 正当な理由のない解雇の証拠不足
- 正規の手続きを踏まない解雇
- 退職金や最終支払いの誤計算や未払い
- 正当な理由なき解雇や相互合意の清算合意書未取得
- 特別な保護対象者(例:妊娠中の従業員、労働組合リーダー)を理由としない解雇
これらの手続きと計算を厳守することが、エクアドルでの労働者管理を適法に行うために極めて重要です。
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